この週末に、お客様より上手く鳴らない系のお問い合わせメールが複数。各々のケースごとに、しっかりと原因を考察し、解決案をお返事しました。ついつい長文になってしまうのが欠点ですが、上手く鳴り出すよう願っています。
忘れていけない基本は、オーディオが伝言ゲームであること。例えばRCA-360RRが上手く鳴らないときは、RCA-360RRよりも後ろに接続している何かが原因になっていることがほとんどです。
こんな思い出話があります。レクスト製スピーカーの開発をしていたころの苦い経験です。
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様々な試聴チェックCDを聴き込みサウンドを追い込んだ、自信満々のレクスト製プロトタイプのスピーカー。そのスピーカーのテストのため、葉加瀬太郎さんのレコーディング現場に持ち込んだときのことです。
あれだけ無敵かと思っていたスピーカーの音が、葉加瀬さんバンドの生演奏をモニターすると、枠の中に閉じ込めたような音像になってしまいました。その日の帰り道は、泣きそうなくらい落ち込んだのを覚えています。
翌日、名誉挽回のチャンスをいただき、突貫でチューニング修正したレクスト製スピーカーは見違えるように鳴りまくり、そのままそのアルバムのレコーディング・モニターとして採用されました。
オーディオ音源と、生演奏のエネルギーの差を痛感した経験です。──────────────
RCA-360RRは、オーディオ再現の枠を超えたサウンドが魅力。逆に言うと、今までのオーディオ枠でチューニングしてきた技術が、逆に抑制の枠となって発現する可能性すらあります。上記の思い出話にある、オーディオCDと生演奏での再現の違いと同様です。
ですので、RCA-360RRの導入で上手く鳴らない現象が発生した場合、悩むのではなく、大きなステップアップのチャンスとお考えください。大丈夫、私にご連絡いただければ、何が原因なのか一緒に考えます。どうぞご安心ください。