REQST blog

今日のレクスト

ブラインドテスト

動画のコメントで、「ブラインドテストの方が先入観なしに聞き分けることができるのではないか?」とのご質問を頂戴しました。

以下のように回答しましたので、ブログにも転載しておきます。

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ブラインドテストは、私たち音楽を仕事にしている者にとっても過酷な作業です。独特の緊張感がありますし、ブラインドテストが長く続けば疲労により正解率は下がると思います。

音の仕事としてお金をいただいている限りは、そういった能力での持久性と強い精神力は必要ですが、趣味のオーディオの場合はそこまでの必要は無いと私は考えています。

例えば、「美味しい水です」と言ってレストラン側が提供しているとしましょう。お客さま側が飲んでみて、「“まろやか” で美味しい」「“柔らかい” 舌触り」または「言うほど美味しくない」「変わらない」という感想を持ちます。

「2つの水に違いがありますか?」 という質問でブラインドテストすると作業は疲れます。ですが「美味しい水です」という提供をジャッジメントするのは、なかなか興味深い比較だと思いますので、私ならチャレンジします。

美味しい水というように、お薦めの前提があるうえでの “まろやか” や “柔らかい” という情報をキャッチする感覚が、趣味としてのオーディオでも重要だというのが私の意見です。

先入観ありも、心理効果が多分に含まれて聴くのも大歓迎。正しいか間違っているのかのジャッジメントではないのですから、そのときに気分が高揚していて判断ミスしたところで、あとから戻り道を選べば良いだけです。スピーカー買い替えといった何か大きく投資するときには緊張感あるジャッジメントが必要でしょうが、直感で選ぶのも趣味のうちです。

そして何より、ブラインドテストは、出題する側も受ける側も楽しくないと思いませんか? 楽しくてワクワクするブラインドテストの案があれば、私もぜひ挑戦してみたいです。

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